事務職に就職
発達障害の診断が下りたことをきっかけに、就労移行支援というサービスを知りました。
障害の特性とうまく付き合っていく働き方がしたいと思い、札幌の就労移行支援事業所としらみつぶしに調べ始めました。
その中でトランジットの利用を決めた理由は、「みんなそれぞれ」という事業所の雰囲気が心地よかったからです。
カリキュラムはひとりひとりに合わせた内容を、それぞれのやり方で、それぞれのペースで取り組みます。
「みんないっしょに」がどうしても苦手な私には、これほど良い学びの場はないと思いました。
さらに、コミュニケーションのカリキュラムがないのも、私にとっては好条件でした。
過去に、コミュニケーションの型を身につけようとしたことで、かえって人とのやりとりがぎこちなくなってしまった経験があるからです。
通所を開始してからは、デザインなどパソコンを扱うカリキュラムを中心に取り組みました。
スキルを身につけられるのはもちろんですが、スタッフさんとの会話を通して、自分の特性をより客観的に知ることができました。
特性だけでなく、トランジットでは本当にたくさんのことを「知る」経験ができました。
自分が無意識に出している疲労のサイン。
そしてそれに気づくこと。相談の仕方。
体調や精神面の状態を周囲の人と共有する大切さ。
助けてもらうことは必ずしも悪ではないこと。
知ることであらゆる困難への対策は立てやすくなります。
そしてそれが安心にもつながります。
通所開始時は不安で仕方なかった就活でしたが、その不安の正体を知り、スタッフさんと共有することで、無事に乗り越えられました。
パソコンのスキルは、独学でもなんとか身につきます。
しかし、自分と向き合い、成長するのは、誰かの助けがないと難しいと私は思います。
人生に必要なのは、経済力やひとりで生きていく強さだけではないと、私はここで学びました。
就職してからも、トランジットでの日々を糧に、成長を続けていきたいと思います。