製造業に就職

「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」
これはある有名な小説の一説です。ある日トランジットのスタッフさんから、タフになろうと言われた時に話に出たものです。
私は現在に至るまで、自分を弱く脆い存在だと思って生きてきました。仕事で手痛い経験を繰り返し、体調を崩し、入院し、藁をもすがる思いでトランジットに通うも、そこでも何度も挫け、みっともなく涙を流す有様でした。
周りに迷惑をかけ、恥の多い生涯を送る中、それでもスタッフさんは私に声をかけ続け、私を待ってくれていました。通所はもちろん、私が一歩を踏み出すのをです。それも何度も何度も。
体調の事、通う事、PC等のカリキュラム、そして実習と、不安定で覚束ない足取りの私を応援し続けてくれました。
トランジットというのは中継地点です。これは想像ですが、きっとここに来る方々は皆それぞれ苦労と挫折の航路を経て、また新たに力を蓄え飛び立つためにここにいるのだと思います。
タフでいれたら、強くあれたら、そう願っているのは自分も含め通所する方皆がそう思っていると思います。
簡単に叶う事ではないけれど、そのタフさを自分以上に信じて待っていてくれるスタッフさんのおかげで、私はなんとか就職という便に乗ることができます。
未来という道は先が見えないもので、未だ弱いままの私にとってはとても怖いものですが、せめて私がトランジットで貰った『優しさ』を失くさぬよう、しっかり持っていきたいと思います。
弱いからこそ、怖いからこそ、強く優しくあれるように人一倍努力できるのだと、胸を張って言える自分になれるよう励んでいきます。